CSWS(中枢性塩類喪失症候群)とSIADH
今日は日直だった。ウイルス髄膜炎疑いの42歳女性がwalk inで来院。
【主訴】尿閉
採血確認→低Na!!
この時点で入院の絶対適応。
脳卒中において低Naは非常にcriticalな所見だと、脳外科バイトの先生からご指摘いただいた。
脳卒中急性期での中枢性塩類喪失症候群(CSWS)とSIADHの鑑別は非常に重要。
CSWSの詳しい病態は不明らしいが、尿細管からのNa再吸収低下が原因とされる。Naとともに水も失われるため、脱水を伴う低Na血症となる。
対して、SIADHはADHによる水利尿低下&RAA系の抑制により低Naが亢進するが、全体として水のvolumeは保たれる。そのため脱水に至っていることは少ない。
CSWSは外部からのNa補給がメインの治療。
SIADHは水制限がメイン。
CSWSの患者さんに水制限すれば脱水を進行させてしまう。
特に、SAHの急性期においては両者の鑑別が重要となる。