匿名

今回の木村花さん死去の件。

「匿名文化」が、自分の発言に責任を持ちたくないという、日本人の弱さを助長した結果もたらされた悲劇です。

 

アメリカ人との比較で、日本人は人前で話すのが苦手だとか、質問を全然しないだとか、皆さんは頻繁に耳にすることが多いと思います。

基本的には控えめな人種で、言いたいことをはっきり言えない。心の中で萌芽したちょっとした疑問も、話の流れを遮ることを恐れて心の奥底にしまいこんでしまう。

とりあえず長いものに巻かれておけば心配はないという、集団依存的な本能がベースにあるのだと思います。

弱いものいじめがこの世から消えない理由もここにあります。

 

一方で、匿名文化はそもそも言論・表現の自由を保障するために生まれたシステムであり、日本人の創作力を大きく育んできたというのもまた事実です。アニメや漫画、ゲームといったサブカルチャーが存分に表現されてきたのも、匿名投稿が盛んとなったことが少なからず関係しています。Twitterでバズるような匿名アカウントが次々と生み出されています。

 

「自分のネタはみんなに見てほしいけど、自分の名前は晒されたくはない」

という心理も、日本人特有のものなのでしょう。

 

行き過ぎた言論統制は、日本人の表現力を抑圧してしまう恐れはあるでしょう。どこぞの社会主義国のように。しかし、匿名という「責任逃れ」を容認してしまう文化が、人の命を殺めてしまうほど危険なものになっていることを認識しなくてはなりませんね。